家計管理でまず見直したいのが「水道光熱費」。
総務省統計局によると、2021年の2人以上の世帯族の水道光熱費の平均額は21,531円。消費支出全体279,024円に占める割合は8%程度。(参照:総務省統計局 | 家計調査報告)
上記(2021年)よりもこれからの水道高熱費の支出額は高まっていく可能性があります。
というのも、資源を輸入に頼る日本で生活する上では、エネルギー価格の変動が家計に与える影響は大きく、日用品などの物価高にもつながりますし、光熱費にもダイレクトに影響するためです。
最近特に実感することではないでしょうか。
ただ、我慢してケチケチした生活をしたいわけではないですし、ちまたで紹介されている細かな節約テクニックも効果がないとは言えませんが、実際のところそれでは先が見えにくいというの実情でしょう。
では、どうすればよいか?というと、
「ライフスタイルそのものを改善」していくことが重要
になります。
そこでこの記事では、家族でミニマリストでもある我が家の節約方法について紹介したいと思います。
また、ファイナンシャルプランナーとしての観点で資産形成する上で重要だったポイントや、対照的にやってはいけない節約方法についても併せて解説します。
ミニマリスト流の節約方法
ミニマリストの定義はいろいろですが、我が家のスタイルは「より少なく、しかし、より良く」というもの。
そして、流行りやトレンドを追うというよりは本質的なことを合理的に考え、主体的に選択していきます。
そうすれば「自ずと節約になっている」という感じです。
もっと節約したい!というのであれば本記事内容をベースに細かなテクニックを実践されれば更に効果的でしょう。
それでは、
- 電気代の節約方法
- 水道代の節約方法
- ガス代の節約方法
の順に紹介していきます。
❶ 電気代の節約方法と効果
まず最初に考えたいのが「電気代」。
というのも、一般的に、水道光熱費の中で半分近くの割合を占めるのが「電気代」であり、一番節約効果があるためです。
中でも最も電気代がかかるのが「冷暖房費」(夏や冬は電気代が上がりますよね。)なので、ここをなんとかしたいところでしょう。
ミニマリスト流の節約方法は、
- 冷暖房器具を厳選する(エアコン主体にする)
- 部屋の移動を少なくして、熱効率を高める
- 部屋着を工夫する
の3点です。
電気代は家族3人で平均8,000円/月くらいが目安
冷暖房器具を厳選する(エアコン主体にする)
地域によりますが、首都圏などならエアコン一台で十分だったりします。
「エアコンの使用は贅沢でもったいない」という感覚がある方も多いですが、「エネルギー効率」の観点でいうと、近年のエアコンは圧倒的に費用対効果が高いです。
「いや、電気より、ガスや灯油の方が効率よいはず」と思うかもしれません。ストーブで比べれば確かにそうですが、エアコンはヒートポンプ技術を使うため空気を温める原理が根本的に異なり、1kWhを3〜6倍もの熱量に変換できます。
となると、なるべく暖房費を抑えて部屋を暖めるのはエアコンが最適という結果になります。
エアコンをフル稼働させるのはもったいないからと、こたつやパネルヒーター、・・・とスポット的に機器を増やしていくほど出費もかさみますし、結局ランニングコストも上がってしまいます。
それよりも、エアコンによる冷暖房効率が高まるようにすることが「節約」になってるし、生活する上でも快適ですよね。
サーキュレーターなどでエアコンの効率を高める工夫するのはアリです。
部屋の移動を少なくして熱効率を高める
エアコンの熱効率が良いからといっても、「こたつの中だけを暖かくする」のと、「部屋全体を暖かくする」のではワケが違います。
何も考えずにつけっぱなしでは電気代はどんどん跳ね上がってしまうでしょう。
いろいろな工夫があると思いますが、なるべく熱を逃さず、急激な温度変化を避ける必要があります。
例えば、我が家では家族みんなリビング中心の生活を送っています。
そう決めているわけではなくそれぞれ自由に過ごしていますが、リビングが快適ならみんなリビングに集まりますし、リビング中心で生活しているのなら、リビングの温度変化は少なくなり、エアコンの負荷はある程度一定に落ち着きます。
住居を変えるというのは極端かもしれませんが、気密性の高いコンパクトな部屋は熱効率が高く光熱費を抑えることができます。もし住居費自体低減できるのであれば、さらに高熱費の低減効果もあるため住居のダウンサイジングもおすすめです。
機能性が高く快適な部屋着で過ごす
最後は、ちゃんと暖かい衣類を着るということです。
ただし、たくさん重ね着をすることではなく「上質なインナー」など、そのまま外出着にもなる機能性の高い衣類を着用します。
寒いからといってちぢこまってじっとしていると、血行は悪くなるし、空気も足元から冷えていくしで、体はより冷えやすくなってしまいます。
一方で、部屋の中を快適に過ごしていられると活動的になりますし、体の血がめぐり、部屋の空気が循環すれば、より快適にに過ごせるようになってきます。
❷ 水道代の節約方法と効果
水道代はトイレやお風呂による使用の割合が多く、お風呂でいえば、節水シャワーにするなどの一般的な節水はやっておくべきでしょう。
それらを除くと、水道代がかかるのは家事(食事と洗濯)に関するところですね。
ミニマリスト流の節約方法は、
- 食器を減らして食洗機をフル活用する
- 衣類を減らして洗濯の量を減らす
です。
我が家の水道代は4000円/月くらい
食器を減らして食洗機をフル活用する
食洗機の場合は電気代もかかってしまいますが、トータルで見ても食洗機の方が圧倒的に経済的になるようです。
ただ、食洗機に収まりきらないからといって、ほとんど手洗いしてしまっているのであれば、あまり効果を実感しにくいでしょう。
食洗機で洗える量に収まれば、家事を楽しながら食洗機による節水効果を活かすことができます。(乾燥機能を止めてしまえば電気代も節約することができます。)
衣類を減らして洗濯の量を減らす
食器と同様に、洗濯物の量や洗濯の回数が減れば水道代の節約になります。
ミニマリスト的には、バスタオルは使わないとか、電気代の節約のところでも紹介した「むやみに重ね着しない」といった点も洗濯物の量を抑えることにつながりますが、さらに「部屋着と外着を分けない」のが効果的です。
❸ ガス代の節約方法
最後はガス代の節約です。
基本的には冬場に特に上がりやすいのは、給湯器を使うためです。
つまり、先に紹介した水道代の節約ができていれば自ずとガス代の節約にも寄与します。
あとは、調理のためにコンロで使うガスの使用を考えます。
我が家のガス代は3000円くらい
加熱調理をまとめる
なるべくまとめて調理すれば、茹でる、煮る、焼くといった工程を一度にすませることができます。
ただ、毎日、毎食、調理していては一度にまとめられる工程は限られます。
そこで、我が家がおすすめしたいのは、1週間分の献立をまとめ買いして作り置きするという方法です。
やってはいけない節約方法
これまでに我が家がどうやって水道光熱費を節約しているかを紹介してきました。
一方で、注意しておきたいポイントというのもあります。
エネルギーインフラを特化した節約
「冷暖房はエアコンに特化する」といったように選択と集中は重要です。
ですが、
「オール電化」のようにエネルギーインフラまで特化してしまうのはおすすめできません。
特化して安さを追求していくと、条件が外れた時には大きな反動を受けてしまいます。
もちろん特定の燃料資源が豊かな国では、その資源に頼った方が恩恵を受けやすいですが、燃料資源を輸入している日本では何かに依存してしまうのはリスクが高く、分散しておいた方が無難でしょう。
こまめなon/off
エアコンはこまめに「ON/OFF」するより「つけっぱなし」の方が良いという事例があります。
外気温とエアコンの設定温度との差が大きい場合は、起動時の消費電力量が増えることになり、エアコンの起動回数が少ない「つけっぱなし」の方が消費電力量が抑えられ、結果として電気代が安くなることがある、といった具合です。
ただし、これは「条件による」ということがポイントです。
不要なら消している方が基本的には節約できるでしょう。
重要なのは「ON/OFFするか」「つけっぱなしにするか」ではなく、なるべくエアコンに負荷をかけない(=温度差が小さい)生活の仕方にあります。
エアコンの他にも、照明に冷蔵庫、給湯器、コンロ、などなど、使用回数や使用時間をまとめられるものはまとめる「効率的な生活」は時短であり経済的でもあります。
とにかく我慢する
光熱費を節約しようという初期の段階では意図的に我慢してみても良いかもしれませんが、そう長く続くものでもありません。
我慢しようとすると、こまめにON/OFFする生活習慣になったりと、必然的に合理的ではなくなってきます。
1人で頑張る分にはまだしも、家族で共同生活をする場合は「気持ちよく過ごしたい」ものです。
我慢せずに過ごせるように「工夫」をするようにしましょう。
さいごに
今回は水道光熱費の節約方法について、ミニマリストである我が家の方法を紹介しました。
節約法というよりライフスタイルそのものですが、細かなテクニックより、どのように生活するかの方が「お金」だけでなく「時間」や「労力」も改善されるのではないかと思います。