資産4000万円となれば、準富裕層(いわゆる小金持ち)まであと1歩。
一時的にまとまったお金が入ったというケース(退職金や遺産相続、宝くじ当選など)でなければ、「準富裕層入り」はほぼ射程距離内といえます。
というのも、現役サラリーマン世帯が資産形成していくには、
- 収入と支出をコントロールできる倹約生活スタイル
- 金融リテラシーと資産運用計画
- 運用可能な余剰資産
この3つが揃っていなければ難しいものでしょう。
上記をベースに4000万円の資産を築いたのであれば「さらに1000万円を積み増すのは時間の問題」ということです。
サラリーマンが倹約による蓄財と投資でFIREを達成したことで有名な「三菱サラリーマン」こと穂高さんは「金融資産3000万円が1つの分岐点」との見解を示されております。
3000万円という運用額は、複利効果の実感としても、資産形成のスピード加速開始時期としても、1つのマイルストーンになり得る地点だ
三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみたより引用
↑これは我が家のケースにおいてもかなり実感するところ。
筆者は【資産3000万円達成まで】1000万円貯めてやったこと と 見える世界という記事を執筆したのですが、およそ1年後には資産が4000万円を超えていました。
そこでこの記事では、3000万円から4000万円まで資産を築くまでにやったことや、暮らしや気持ちの変化について紹介したいと思います。
といっても、当サイトで紹介している「ミニマルでシンプルな生活スタイル」を継続しているだけで特別に新たなことをやったわけではありませんが、
- 生活水準
- 貯蓄率
- 現金比率
- 心境の変化
- 価値観の変化
あたりの現状を紹介したいと思います。
金融資産4000万円の内訳
まずは資産4000万円の内訳から。
- 預貯金:2500万円
- 不動産資産(ローンの負債のみ計上):▲1200万円
- 投資資産:3000万円
ちなみに、家族構成は小学生の子供を持つ3人家族で、分譲マンションをローンで購入しております。
預貯金:2500万円
過去に貯蓄していた分の1000万円は残したまま、淡々と貯蓄を積み増しています。
その理由としては「住宅ローンを返せる分の貯蓄をしているものの、住宅ローン控除の恩恵を受けるためまだ繰上げ返済はしていない」ためです。
ちなみに、2500万円は全て銀行預金かといえばそうではなく、勤め先の「福利厚生制度」で積み立てしている貯蓄分が1000万円(年利1%弱の利息つき)。そして、資産性のある保険として「学資保険」に加入していて、その分(200万円くらい)も預貯金に含めています。
ということで、全体としては預貯金の比率はかなり高い状態にありますが、今は収入から支出を差し引いた分は全て余剰金として投資に回しています。
不動産:▲1200万円(住宅ローン)
不動産は個人資産のバランスシート上は資産ですが、野村総合研究所による富裕層の定義は「純金融資産保有額」ということとなので、不動産自体は資産額に含めずに住宅ローンの負債分のみ計上。
預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類し、各々の世帯数と資産保有額を推計
野村総合研究所「日本の富裕層に関する調査結果」より引用
住宅ローン控除が終了したら、一括返済しても預貯金の1000万円以上は残る予定でいます。
ただ、市場動向によっては、ローン返済に充てずに資産運用にまわすという選択肢も残しています。
運用資産:3000万円
資産運用は基本的に「株式」のみです。
NISAやiDeCoなどの非課税枠は最大限活用しつつ、残りは特定口座で運用しています。
それぞれの口座の内訳は以下の通り。
- 家族3人分のNISA口座(ジュニアNISA含む):600万円程度
- iDeCo:400万円程度
- 特定口座:2000万円程度
NISA:600万円程度
妻と子供のジュニアNISAは長期保有前提のため再投資型の「VTI」オンリー。
淡々と積み立ててほったらかすなら「VTI」と思っていますが、夫分の口座は気まぐれで「VOO」にしています。
iDeCo:400万円程度
正確には勤め先の企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入しています。
正直、20代の開始当初は、知識不足もあって恩恵を感じることはありませんでしたが、今では投資元本も含み益もだいぶ大きくなっています。
長期運用による「複利の効果」を実感するところです。
特定口座
日本株(高配当株メイン)と米国株(VOO、SPYDなど米国株ETFと個別株)を半分ずつ保有しています。
資産4000万円になるまで(+1000万円/年間)にやったこと
1年で資産が1000万円増えたことになるのですが、これは予想外。
というのも、基本的に生活は変わっていないので「いつそんなに増えた?」という感覚です。
そして、未だ預貯金の比率も高く、投資スタイルもインデックス投資や高配当株メイン。資産価値が爆上がりしたというわけでもありません。
では、どうして増えてる?という点を整理してみます。
※合計すると1000万円になっていませんが、金融資産自体の値上がりは含めていないためです。
倹約による蓄財:700万円
結局のところ、資産増加の大部分は倹約による蓄財です。
物価は上がってますが、食費はずっと一定の予算内でやりくりできていますし、光熱費は上がしましたが支出全体としてはまだそれほど影響がでていません。(この記事の執筆時点(2022年11月))
収入が増えているのに対して、支出は変わっていないので、入金力がかなり高まっています。
その分税金も上がりますが節税やふるさと納税の効果もかなり効いてくるなというところ。
個別株の売却益:250万円
2022年前半まで好調だった米国株式(特にTESLAなどのハイテク株)や高配当だけどボラティリティも高い国内メガバンクの株式を一旦売却したことで250万円ほどの売却益が得られました。
毎年同じような成績が出せるとは考えてはいませんが、市場全体の景気サイクルなどを考慮した中長期的な視点で買い付けができれば、高配当銘柄中心でも多少のリターンは狙えるのかも。
ただし、最終的にはインデックス投資が一番成績良い結果になるのが関の山なので、これからは高配当以外の保有銘柄は良きタイミングで売却して割合は抑えていく意向です。
配当収入:40万円
高配当銘柄(総額800万円分くらい)の配当金と積立金の利息で年間40万円程度の収入。
いわゆる「不労所得」でとても有り難いことですが、まだまだ資産から得られる収入で生活していけるレベルにはありませんね。
インデックス投資を中心に資産全体を伸ばしていくとともに、今後はここの割合を高めていきたいと考えています。
心境や暮らしの変化
資産形成上はまだ過渡期ではありますが、「変わってきたこと」、「変えていくこと」、「変えないこと」を整理しておきます。
- 生活水準
- 貯蓄率
- 現金比率
- 心境の変化
- 価値観の変化
❶ 生活水準:変化なし
すでに無駄な出費をしない生活スタイルが身についているため、特に変わりがありません。
ちなみに、我が家が年間を通じて支払った額が最も高価だったものは「株式」、2番目は「住宅ローン」、3番目が「ふるさと納税」です。
贅沢は「ふるさと納税」で楽しめるようになると、倹約と生活の質向上の相乗効果があって最強だなと実感してます。
❷ 貯蓄率:増加
貯蓄率は、社会保険料や税金を差し引いた「所得」に対して計算するのが一般的。
「貯蓄額÷可処分所得(手取り収入)×100」で計算すると、だいたい65%くらい。
ただ、株式の譲渡所得や配当所得を含めていません。資産収入も増えてきているので実質的な貯蓄率は増加しています
❸ 預貯金比率:低下
預貯金は未だ多いですが、これ以上は必要ないので、投資にまわす金額は一気に増えています。
今後は一層投資にまわす金額が大きくなるので、預貯金比率は下がっていきます。
特に、住宅ローン繰り上げ返済分の資金を、返済するか一旦投資にまわすかにして、預貯金の比率は20%程度にする予定でいます。
❹ 心境の変化
数千万円という資産で一生安泰ということにはなりません。
ただし、いくら資産があろうが「あともう〇〇円くらいあれば」と考えてしまうのだろうという感覚もあり、資産額に目を向けている限りはずっと心境は変わらないのかもしれません。
すでに3,000万円あった段階で「当面は」何が起きても大丈夫とは思えるようになっているので、資産そのものよりも、自分や家族の人生に向けた行動を起こすことの方が重要に感じています。
❺ 価値観の変化:お金より時間を重視
❹とも関係しますが、資産が増えていくことで感じることは「時間」>「お金」という価値観の変化です。
サリーマンにとっては残業代というのは、かけだしの副業なんかよりよっぽど時間単価が高く、たくさん残業をして残業手当が増えると蓄財が進みます。
資産形成当初はそれもアリですが、残業をする時間、というか週5日働き続けるということ自体にも意識の変化が出てきますね。
まとめ
資産が4000万円に到達し、当面の目標であった準富裕層(資産5000万円)への目処が立ってきました。
資産が増えた理由は、シンプルに「倹約による貯蓄」がメイン。
とはいえ、資産から得られる収入も実感できるようになり、これからも一層資産の増加を期待できると信じられる状況にあります。
この段階で起きた変化としては以下の通りです。
- 生活水準:変化なし
- 貯蓄率:増加
- 現金比率:低下
- 心境の変化:変化なし
- 価値観の変化:時間>お金
特に❺に対しては現状の生活に対してさらに変化を起こしていくきっかけになるかなと思っています。
5000万円達成時にまた執筆したいと思います。