【年収1000万円の価値と実態】それほどでもないかも…ではどうする?

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収入に関する目標として「年収1000万円以上」があります。

数字としてキリが良いということもありますが、もうかなり昔から年収の目安として浸透していますよね。

「年収1000万円以上」というのは一つのステータスとしての価値がありそうな気がします。

ただ、このご時世で「年収1000万円」は、特に暮らしが変化することもないレベルというのが実態。

身も蓋もない話しですが、インフレによる物価上昇と増税が続く中、以前より1000万円の価値は低くなっているという事実を受け入れざるを得ません。

この傾向はこれからも続いていくと想定されるので、将来年収1000万円以上になったとしても、今よりもっと経済的な豊かさを実感しにくくなるでしょう。

確かに、平均年収という視点から見れば収入は多いのですが、そこはなんとも上手い具合に支出も嵩んでいく構図があります。

つまり、

年収1000万円は世間的には「憧れられる(場合によっては妬まれる)存在」ではあり続けるものの、イメージする豊かさに対して実態が追いついていないという感じです。

特に注意したいのは、女性の社会進出もあって、共働きで世帯年収1000万円を超える場合。

1馬力で年収1000万円の場合よりも達成しやすく税金面でもお得なものの、共働きで忙しかったり、それなりに収入があると錯覚して散財しやすいことです。

そこで、この記事では、1000万円以上の場合の実態を紹介しつつ、暮らし向きを良い方向に変えていくための方策を筆者(兼ファイナンシャルプランナー)の実体験から紹介します。

実際には、年収額には関係なく、サラリーマンならやることは同じです。

目次

年収1000万円以上の価値と実態とは

冒頭から「年収1000万円の価値は下がっている」と記載しましたが、実態がどうであるかを確認してみましょう。

❶ 平均からするとよっぽど高所得

年収1,000万円を超える人の割合は5.4%(平均年収は458万円)です。

これは、国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」から確認できます。令和4年12月31日2022年時点で給与所得を得ている5,967万人のうち、年収1,000万円を超えている人の割合は5.4%でした。年収1,000万円を超えている人は、およそ20人に1人の割合になります。

ただし、平均年収の2人が共働きすれば、世帯年収で1000万円を超えるのはそう珍しいことでもなくなります。

❷ 税金の割合が高まる

収入(所得)に対しては所得税が課せられます。

日本の所得税法では、個人の所得が高くなるに従って税率も高くなるという「超過累進税率」が採用されています。

税率表は以下の通りで、900万円を超えると一気に10%も税率が高くなっていることがわかります。

所得金額所得税率
195万円以下5%
195万円~330万円10%
330万円~695万円20%
695万円~900万円23%
900万円~1800万円33%
1800万円~4000万円40%
4000万円超45%
税率表

年収が1000万円前後になってくると、収入が上がった分に対する税金の割合が大きくなっていくため、給料が上がっても以前のようには可処分所得(自分で自由に使える手取り収入)は増えていきません。

実際、900万円以上の所得税率33%に10%の住民税を加えると税率は43%にもなります。転職や昇給、残業などで収入が増えても半分くらいは税金として消えていってしまいます。

さらに、児童手当など、各種手当の受給が制限がかかるなどの影響も出てきます。

最近は大企業を中心に賃上げも実施されていますが、インフレによる物価上昇に加え、給料の上昇分の半分は税金で消えていくのであれば、実態はかなり残念なことになりますね。

税率が変わらないのであれば、企業と労働者双方の努力が報われにくく、でも、しっかりと税収は上がるという税構造になっています。

❸ 支出が増大する

年収を上げる手段は、高待遇の市場で働くというのが一番手っ取り早いわけですが、もともと高収入を期待できる職種や業界であれば、上司や同僚も高所得である環境になります。

また、早く出世して昇給した場合でも、上の役職との関係や付き合いも増えたり、部下の面倒を見る立場になったり。

すると、

  • 身だしなみ
  • 食事
  • 住居
  • 子供の学校、習い事

こういった類の支出、いわゆる生活水準が上がります

生活水準が上がるというのは、暮らしむきが良くなっているといえなくも無いですが、

自分の裁量で自由が得られているか?といえば、そうではないケースが多いでしょう。むしろ、一層自由ではなくなっていく傾向があるように思えます。

できること3選と手順

では、どれくらいの年収があると暮らし向きが変わってくるかというと、年収2000万円以上などといわれています。

これは普通の企業では困難な水準ですし、多額の支出や税金を上回るように収入を上げていくというのはサラリーマンの戦い方としてはかなり分が悪いでしょう。

もちろん、なるべく給与収入を上げていく努力はした方が良く、その他の収入源を育てていく必要もあるということです。

となれば、結局やることは以下の3つになるわけですが、注力していく順番その内容が重要なポイントになります。

  1. 自己投資
  2. 副業
  3. 資産運用

❶ 自己投資

まず取り掛かるのは、何より自己投資です。

実生活や副業、投資にも役立つものが良いですよね。

英語やプログラミングなど本業の仕事の幅を広げたり、効率を上げたりできると良いでしょう。

自己投資といっても投資するのは学習する「時間」です。学習にはスクールや教材、資格取得にお金がかかるものが多々ありますが、基本的にそれは相手のビジネスです。

お金を使ったことで自己投資した気にならないよう注意しましょう。

また、お金の勉強をしておくのも大事。

個人的な見解としては、この間にマイホーム(不動産資産)に投資するのは有効でした。

というのも、生活の基盤が整うことで快適な生活を得られる上に、インフレによる資産の目減りを防ぐことができたからです。

❷ 副業

これまでの業務経験や自己投資で得た知見やスキル、趣味などを活かす形で副業を行うと学習効率が高まります。

時間単位でお金を稼ぐというよりは、自己投資したことを収入に繋げるように育てていくという感じでしょうか。

自己投資が本業や副業、趣味に活かされ、そこにかかる支出をある程度回収できるようになってくれば、生活水準を上げずに、QOL(Quality of life)を向上することができます。

また、事業ではありませんが、保有している不動産を売却したり、貸し出したりすれば大きな収入が見込めるようになります。

❸ 資産運用

投資額が小さいうちは、その銘柄選定やポートフォリオにいくら時間をかけても大して影響がありません。

積立投資は継続することが賢明ですが、若いうちや資産形成初期の段階では人的資本を育てるために「お金」や「時間」を投資すべきでしょう。

最近人気の名著「JUST KEEP BUYING」では資産収入が労働で得られる収入と同等レベルになるまでは、やはり労働や自己投資に集中すべきと書かれています。

一方、ある程度資産形成が進んだのであれば、資産収益を得られるよう資産運用に重点を置きます。

NISAなどの非課税制度や20%の税率は、所得税の支払いが大きくなる一方の労働所得に対して大きな助けになるはず。

また、資産収益が見込めるようになると、頭金やローン支払いに悩まされずに不動産を取得することができ、これで住居資金や老後資金にはある程度目処がつくでしょう。

まとめ

この記事ではサラリーマンの年収1000万円という実態について考察し、インフレや税金に対する施策として、取れる手段と手順について紹介しました。

なかなか賃金を上げるのも難しい時代ではありますが、年収1000万円といっても結構厳しいというのが実態です。

となれば、大事なのは、

  1. 自己投資
  2. 副業
  3. 資産運用

です。

また、筆者の経験として人生の最大支出であるマイホーム(住居費)についてどう対応したかを併記して紹介しました。確実な正解はありませんが、やり方次第で資産を築くことは可能ですので、今後の参考になれば幸いです。

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