2024年内に金融資産1億円の大台に届くかなというところ(金融資産相場の暴落がなければの見通しですが)。
金融資産1億円となれば「富裕層」ともいわれるものの、昨今の「インフレ」「増税」「円安」ぶりからすると言葉の響きから受ける印象ほどの「金持ち感」は無い気がします。。
その理由の一つは、
昔から「年収1000万円」とか「億万長者」という数値上の基準は変わらないまま、円自体の価値は相対的に下がっていることです。(世界的にも、年代的にも)
もう一つの理由は、自身が資産を築いていく過程で「お金に対する捉え方」という絶対的な基準も変化してきたから。
一般的に「富裕層なら豪遊して暮らしてそう」というイメージに対して、富裕層になりたてくらいの層は「質素倹約な暮らしをしている」という調査結果の通り、「となりの億万長者」とはまんま我が家のことの様です。
とはいえ、
「経済的に自立(Financial Independence)」する上で、金融資産1億円は十分な基準になりますし、一般のサラリーマン(40代そこそこで妻子有り)が1馬力で到達できたとすれば、それなりに有益な経験ではないかと思います。
そこでこの記事では、単に「質素倹約に努めた」ということではなく、「経済的に自立する上で役に立った考え方」や「資産形成のステージにおいて重要な知見」などを筆者自身の経験として紹介したいと思います。
我が家が経済的に自立するのに役立ったこと
自身の気質や意識していたことを振り返ると、資産形成にとってプラスに働くいくつかの要素があることを実感します。
それらの要素とは、
- ミニマリスト気質
- ファイナンシャルプランナー
- データサイエンス&プログラミング
です。
❶ ミニマリスト気質
- 働いて家族を養い
- 仕事を通じて自己実現をして
- 家族と過ごす時間こそ大切にし
- 趣味や自己研鑽にも励む
- ・・・
って、それぞれ大事ですが、バランスを取ろうにも結局中途半端になって、その上で資産形成するなんてもっと困難な様に感じられます。
となると、
「自分にとって」、「家族にとって」、「仕事として」、本当に大事なことをまず優先していくしかありません。
やらなきゃいけない(とされている)雑多なことは多いですが、本当に必要なこと(本質的なこと)はなんだろうか?と考え、それに対して合理的に、理性的に、自然に従って取り組んでいこうとするならば、きっとミニマリストのようになっていくでしょう。
ミニマリストといえば、「モノが極端に少ない」「貧乏くさい」「病気っぽい」といったイメージを想像される方もいると思いますが、そのような世間からの見え方よりも自身の内面の問題。
考え方でいえば「エッセンシャル思考」なんかがわかりやすいところでしょうか。
とはいえ、いつも持ち物が少なく、時に世俗離れした態度をとっているかもしれないので、他人からどう思われているかはわかりませんが、当人としては自由人のように暮らしていながら、資産も順調に築いてこれたかなと思っています。
❷ ファイナンシャルプランニング技能士
ファイナンシャルプランナーとしての知見やスキルレベルは、資産形成のステージに結構リンクしていると思います。
要は、資産形成していく上で「資産の増加に伴って、マネーリテラシーも向上させていくのが良い」ということです。
資産形成初期ならFP3級
まず、これから資産形成を始めるという段階ではFP3級程度の知識を身につけておくと、今後の資産形成において遠回りせずに済むでしょう。
ファイナンシャルプランナーの勉強では、お金にまつわる仕組み(ライフプラン、タックス、リスクマネジメント、金融資 産運用設計、不動産運用設計、相続・事業承継設計)の概要を知ることができます。
具体的には、
- ライフプランの見方(インフレなどを考慮の現在価値の考え方)→自身のライフプランの見直し
- 所得や税制度、控除の仕組み→各種控除などの減税措置の見直し
- 社会保険制度の仕組み→民間保険の見直し
など、
資産形成中期ならFP2級
ある程度の資産(1000万円〜3000万円くらい)があり、資産運用をしたり、不動産を売買して大きなお金が動く様になると、税金(減税措置)や手数料、契約、・・・といった日常生活では縁のなかった世界を経験するようになります。
例えば、マイホーム(不動産)を売却する場合なら、
- 物件の査定内容の精査
- 不動産仲介業者の選定と媒介契約タイプの決定
- 売り出し価格の決定
- 譲渡所得に対する特例(減税措置)の適用や損益通算
などを自分で対応していくことになりますが、事前にある程度の知識がないと自身で判断をすることは難しいです。
なので、不動産仲介業者が存在するわけですが、何もわからず相手に言われるがままでは良いはずはありませんよね。
FP2級くらいの知識があれば実践で活かせるようになると実感します。
資産形成後ならFP1級
FP1級の知識(特に資格取得の試験レベル)は実生活にはもはや関係が無いと思っていました。(特に、重箱の隅を突きまくる様な問題設定に疑問を覚えるし)
しかし、
経済的に自立したとなると、その資産にはほぼ相続(相続税)が現実問題になってきます。(その人の生活水準にもよりますが、金融資産1億円以上であれば確実に)
不動産として相続するか、事業設立して継承するか、現金を暦年贈与していくか…、など、新たに考える必要があることはFP1級が対象にしている内容に相当する様に思います。
確かに、富裕層やさらにその上の資産を持つ超富裕層の方、事業を立ち上げて成功した方や事業を代々受け継いでいる方にとってかなり重要な問題です。
その相談を受けられるためには、FPの最上位資格は「難易度が意地悪に感じるほど高い」のも納得できるようになり、自分にとっても課題になりつつある今、近いうちにFP1級も目指したいと考えています。
❸ データサイエンス&プログラミング
本業はデータサイエンス専門のエンジニアではありませんが、データサイエンス&プログラミング(機械学習)は大いに活用し、仕事の軸もシフトさせていっています。
例えば、最近の株式市場を牽引してきたのはtech系の企業でしたが、それらの企業が何をしようとしているのかを理解し、それが市場にどのような影響を及ぼす可能性があるか、それは自身のポートフォリオや資産推移がどう変化するか見通しを立てられる、といった具合です。
おすすめの習慣:読書
以上、紹介した内容はあくまで筆者自身の気質によるところがあるのですが、最初から一貫していたかと言えば、考え方や行動が変化していった結果でもあります。
その変化に大きく影響していたのは読書です。
「年収」と「読書量」は相関があるとも言われています。
読書をすれば年収が上がるという意味ではありませんが、読書をせずに仕事で成果を出し、資産を築き、心の平穏を保つというのはなかなか難しいかったと思います。
そこで、当ブログ内でも紹介しているものも多いですが、資産形成の段階に応じて役に立った書籍たちを一部紹介します。
ビジネス書
仕事でも人間関係でも「人生の今ここに集中しましょう」ということに尽きます。
若いうちなど、資産形成初期の頃は特に目の前の仕事や所属している組織に貢献していくことが大事だと思います。
その点、ビジネス書は読みやすく活力も得やすいので、読書のきっかけとしてもおすすめ。
ですが、ビジネス書を読み漁っても成果が伴うわけではありませんので、自分に合う1冊を折りに触れて繰り返し読むのが効果的だと思います。
ファイナンス
投資に関しては、資産を運用して老後や次の世代に準備するというのならインデックスを主とした株式投資で基本的には十分。
どれくらいの資金を貯蓄して、何に投資するか、といったことも、そう特別なことは必要無いでしょう。
筆者の場合は、ここ数年の上昇相場の恩恵が大きかったわけですが、今後たまに暴落もあり、いずれ平均のリターンに回帰したとしても、”余計なことをしなければ良い”と信じています。
注意点は、労働など人的資本から得られる収入に対して、資産から得られる収入の割合が小さいうちは、ポートフォリオや銘柄にこだわったり、悩んだりして時間浪費しないことです。
古典
情報過多の時代と言われて久しいものですが、世の中に新しいものが出てきては廃れるスピードも加速していってます。
そう思って世の中を見ると「本当に新しいこと」はあまりなくて、昔から言われていることを現代でも繰り返し問題にしてるということが往々にしてあります。
結局のところ人生は「いかに生きるか」がテーマ。
きっと、先人たちの教えに真理を見出すことができるでしょう。
資産形成中盤以降は、お金やその他の執着からいかに自由になり、より良い人生に向けて歩んでいくのが肝要かと思います。
さいごに
この記事では、サラリーマン世帯が経済的に自立できた事例として、筆者の気質や思考などを振り返り紹介しました。
- ミニマリスト気質
- ファイナンシャルプランナー
- データサイエンス&プログラミング
資産形成の過程(初期、中期、後期)でこれらがどう役に立ったか、また、おすすめの習慣として読書についても併せて紹介しました。
個人の気質や考え方はそれぞれですが、これから経済的自立を目指す上での参考になれば幸いです。