ウクレレの入門書を読んだり楽譜を探していたりして「これは何?」と疑問になるのが「High-G(ハイG)」や「Low-G(ローG)」という用語ではないでしょうか?
ウクレレには「High-G(ハイG)」と「Low-G(ローG)」という2つのセッティングが存在するのですが、楽曲とウクレレ本体のセッティングが合っていないと、演奏したときに音がおかしなことになってしまいます。
初心者の方が楽譜を選ぶ際は、この「楽曲」と「ウクレレのセッティング」の確認が重要です!
さらに、自分のウクレレのセッティングをHigh-G(ハイG)とLow-G(ローG)のどっちにするか?というのも迷うポイントですよね。
そこでこの記事では、「High-G(ハイG)」、「Low-G(ローG)」のそれぞれの特徴や違いについて解説し、初心者の方のセッティングはどうすればよいか?を紹介したいと思います。
High-G / Low-G はウクレレの弦のセッティングの違い
High-G(ハイ・ジーと読みます)とLow-G(こちらはロー・ジーと読みます)とは、ウクレレの4本の弦のうちの1本(演奏するとき一番体に近い側になる弦)のセッティングの違いのことです。
具体的には、
- High-G(ハイG):開放弦の音が高いG音(細めの弦を張ります)
- Low-G(ローG):解放弦の音が1オクターブ低いG音(太めの弦を張ります)
といった感じです。
セッティングが2つ存在する理由は楽曲のアレンジによるもの
High-G(ハイG)とLow-G(ローG)のどちらのセッティングも優劣というのはありません。
ただ、同じ楽曲でもその曲のアレンジの仕方によって、High-G(ハイG)で弾くかLow-G(ローG)で弾くかが変わるということです。
ウクレレのおすすめの練習曲のページで紹介している楽譜もLow-G用とHigh-G用のものが混じっています。
ということで、まずはそれぞれの特徴を解説していきます。
High-G(ハイG)の特徴とメリット・デメリット
ウクレレのスタンダードなセッティングはHigh-G(ハイG)です。なので、お店に並んでいるウクレレのセッティングは基本的にHigh-G(ハイG)になっているかと思います。
スタンダードなセッティングということは、本来の”ウクレレらしさ”がよく表れていることが特徴と言えます。
いわゆる、ハワイアンなスタンダード曲やジャカソロといったスタイルで聴けるコロコロとした雰囲気の音です(ちょっとわかりにくいですかね;)。
これは、ダウン・アップのどちらのストロークでも高い音域の弦を最初に鳴らすことによるもので、ギターとは違うウクレレの特徴の一つでもあります。
High-G(ハイG)のメリット
ハワイアンのスタンダードな楽曲や初心者向きの楽曲が多いということです。
High-G(ハイG)のデメリット
デメリットといえるのは、Low-Gと比べて音域が狭い(低音が出せない)ことと言えます。
J-POPのヒット曲やソロスタイルでメロディを弾こうとすると再現しにくくなってしまい、最近のトレンド曲はLow-Gでのアレンジの譜面が多くなっているように思います。
Low-G(ローG)の特徴とメリット・デメリット
Low-G(ローG)は表現できる音域が広いのが特徴で、High-G(ハイG)で出せなかった低い音が出せます。
また、Low-G(ローG)のセッティングは太い弦から細い弦への並び方がギターと一緒になりますので、ギタリストがウクレレを弾いても違和感が少ないのではないかと思います。
ただ、個人的な見解としては、ギターが弾けた上であえてウクレレを弾くのであれば、ウクレレらしいHigh-Gで弾く方が演奏の幅は広がるかなと思います。
また、【ギター・ピアノとの共通点】初めての楽器演奏にウクレレが最適な理由という記事ではギターを始める前にウクレレを始めてみることをおすすめしていますが、後々ギターもやりたいからといってLow-G(ローG)にする必要もありません。
というのは、慣れてくればLow-G(ローG)、High-G(ハイG)のどちらでも違和感なく演奏できるようになるからです。
Low-G(ローG)のメリット
High-G(ハイG)の特徴の裏返しになりますが、音域が広くなるので対応できる楽曲が増えます。
Low-G(ローG)のデメリット
こちらもHigh-G(ハイG)の裏返しになってしましますがデメリットとしては、”ウクレレらしさ”が少し失われてしまうことでしょうか。
あと、デメリットではありませんが、初心者の方であれば買ったウクレレをLow-Gセッティングに変更しなければいけない、というのは要注意です。
太い弦を張ることになるので、ナットの溝や弦高の調整が必要になる場合があります。
初心者の方におすすめはHigh-G(ハイG)
初心者の方の場合、結局、High-G(ハイG)とLow-G(ローG)どっちのセッティングにしておくのが良いの??と迷ってしまうと思います。
それぞれのセッティングのウクレレを2本用意するというのも手ですが、初心者でいきなり2本用意するというのは厳しいですよね。
そこで、どちらかといえば、”とりあえず”基本でもあるHigh-G(ハイG)セッティングにしておきましょう!
“とりあえず”、というのは、無難だからという意味もありますが、ウクレレ一本でもLow-G/High-Gの両方に対応することができる手段があるからです。
High-G(ハイG)をおすすめする理由:Low-G(ローG)の曲は弦を張り替えれば対応できる!
先ほど、Low-G(ローG)用の弦によってはナットの溝や弦高を調整する必要があると書きましたが、弦の種類によっては、その心配がなくなります。
Low-G(ローG)用の張り替え用におすすめの弦は巻き弦タイプ
巻き弦タイプの弦は、細め(High-G(ハイG)弦より少し太いくらい)なのでウクレレ本体の調整しなくてもそのまま張ることできる場合が多いです。
Low-G(ローG)用の単弦というのが売っているので、これを1本用意しておけば、Low-G/High-Gのセッティングを自由に変更することが可能です。
僕が実際に使っているのは、Famous(フェイマス)の弦で1本のみで購入できます。
実際に張り替えると、見た目や音がほかの3本の弦と違うので少し違和感がありますが、音そのものは良いですし、特にウクレレ自体の調整は不要でした!
弦の張り替え方については、【ウクレレの弦交換】はじめてでも簡単にできる5つの手順!という記事で解説しているので参考にしてみてください。
また、ウクレレの弦はギターほどテンションもかからず、劣化するものでもないので、多少は使いまわしていても問題は無いと思います。(僕は頻繁に張り替えてしまっています)
さいごに
今回はウクレレのHigh-G(ハイG)とLow-G(ローG)の違いについて紹介しました。
ウクレレは一本でも弦を張り替えてしまえば、High-G(ハイG)とLow-G(ローG)のどちらも対応できます!
Low-G/High-Gを気にすることなく、いろんな楽曲に挑戦してみてはいかがでしょうか?