“こだわる”という言葉には少しネガティブな印象を感じますが、”こだわる”こと自体は良い面と悪い面の2つの意味が存在します。
- ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。
- 物事に妥協せず、とことん追求する。
もともとは前者のネガティブな意味合いが強い語句ですが、最近は、後者のような肯定的な意味で使うことも一般的ですよね。
つまり、”こだわる”ことはポジティブにもネガティブにも発展できるわけです。
では、両者の大きな違いは何でしょうか?
それは、
『 気持ちがとらわれる 』
という部分です。
この『執着』には決して良いことはありません。
結局のところ、こだわりはあっても悪いものでは無く『いかに執着から解放されるか?』が大事になってきます。
例えば、当サイトのテーマでもある“こだわりを手放して身も心も軽やかなシンプルな暮らしを送る”という考え方や生き方(シンプルライフ)も、1つの”こだわり”といえなくもないわけです。
しかし、そのような考え方や生き方に”執着”してしまっては、いつまでたっても決して身も心も軽やかになることはありません。
かくいう我が家も、通称”とらわれの病気”ともいわれる”強迫性障害(強迫性)”を患っていた経験もあり、このあたりは身をもって実感しております。
そこで、今回は“こだわり”と”執着”の違い、そしてシンプルライフを送る上での執着を軽減するポイントを紹介したいと思います。
こだわり と 執着 の違いとは
冒頭では『こだわり』の悪い要素として『執着』の存在があると紹介しました。
とはいえ、どちらも同じようなものに感じますよね?
そこで、『こだわり』と『執着』の違いをもう少し詳しく考えてみましょう。
『こだわる』とは
『こだわる』というのは、あくまで”主体的にこだわりを持つことを選択している状態”と捉えます。
当サイト(シンプルライフスタイリング)でも”こだわる”というキーワードはそのような意味で使っています。
【食費の節約には?】食材にこだわるシンプルな食生活がおすすめ!といったタイトルの記事のように、○○をするために△△に”こだわる”という使い方になります。
他にも、きれい好きの方が部屋の整理整頓の方法の”こだわる”といった場合なら、”気持ち良い空間で自分の心が穏やかに満たされるため”とか、”時間をかけずに効率よく行うため”が理由だったりします。
要するに、”こだわり”には『○○をするため』という目的があり、必要なことともいえます。
『執着する』とは
一方で、何の為にこだわるのか目的を見失っていたり、目的に辿り着かない行為の場合、それは心や気持ちが捉われた状態です。
- 今までずっとやってきたことだから
- 世の中みんながやっていることだから
- 意味はないかもしれないけど、やらないと不安だから
- ・・・
このような気持ちで何かの行為をしていることはありませんか?
『執着する』というのは、”心や気持ちが離れられなくなっていてそれしか選択できない状態”です。
必要なこだわりと執着の軽減方法
“こだわり”と”執着”の違いはなんとなくわかったけれど、執着しないようにするにはどうすればよいのでしょうか?
これは難しい問題です。
というのも個人差はあるかもしれませんが、執着は勝手に生まれてくるものだからです。
なぜなら、仏教では執着とは煩悩(ぼんのう)のことを指します。
完全に執着を無くそうというのであれば、ブッダのように出家して修行し、執着という煩悩を滅して苦からの解脱(げだつ)を達成するしかありません。
と、話が若干逸れましたが、伝えたいことは、執着は誰しもあるはずだし、悩ましいものだということです。
執着を解消するのが難しいのであればどうすればよいか?というと、執着を軽減することです。
で、執着を軽減する術というのはいろいろあると思います。
今回は我が家の経験をベースに3つ紹介したいと思います。
1.主体的になる
自分ではどうすることもできないことに気をとらわれなくするには、自分のすべきことに専念することが一番です。
そうすれば執着が生まれる余地を少なくすることになると思います。
これは強迫症の経験からも実感することです。
ビジネス視点ではありますが、【当事者意識を持つには?】主体的に生きるための習慣とおすすめの本という記事を参考にしてみてください。
2.客観的になる
次に、自分が何に捉われているのか?客観的に見る力は大事です。
そうすれば、心が捉われている状態を意識することができ、自分のやるべきことを意識しより主体的であることに注力する対策をとれます。
逆にいうと、
客観的にみることができなければ、「いつの間にかすっかり気持ちがとらわれてしまっていた」ということになりかねません。
自分を客観的に見るのはメタ認知というスキルです。【3つの目】視点を増やせば 世界が変わる。重要な3つの視点!の後半で部分で紹介しているのでこちらも参考にしてみてください。
3.捨ててみる
心が完全にとらわれている状態では難しいのですが、執着が限定的であるならば思い切って捨ててみる、という経験も大事です。
なぜなら、気持ちがとらわれている状態の行為というのは、目的が達成されることもなければ、ますます”とらわれ感”が増大していってしまうからです。
これは負のスパイラルのはじまり。
執着は小さいうちに捨ててしまいましょう。
まとめ
今回はこだわりと執着の違いを紹介しました。
こだわりは良くも悪くも必要なもの。
一方で、執着は良いものでは無いけど、誰にでも生じるもの。
大事なのは、自分の中の執着とどう付き合うか?です。
記事中で紹介した方法は次の3つです。
- 主体的になる
- 客観的になる
- 捨ててみる
執着は完全に解消できないけれど、軽減することはできます。ぜひ参考にしてみてください。