【ナッシュ均衡とは?】WinWinを考えるにはゲーム理論が最適!

ナッシュ均衡とはBOOK
BOOK

「最善の手を尽くしているのに一向に状況が改善されない」なんて感じることはありませんか?

世の中の政治や環境問題なんかを見ても、うまくいっているとは到底思えない出来事は多々ありますが、それぞれの立場を考えると最善を尽くそうとはしているものです。

なぜお互いが最善の手をつくしても状況が良くならないのでしょうか?

実はこれ、ナッシュ均衡という概念によって説明ができたりします。

以前投稿しました【Win-Win(ウィン-ウィン)な関係とは】目指すべき考え方のポイントとおすすめ書籍という記事で紹介しているWin-Winな関係を目指す上でも参考になると思います。

そこで今回は、ナッシュ均衡について簡単に解説し、上手くいかない現状を打破するためのポイントを考えたいと思います。

スポンサーリンク

1.ナッシュ均衡とは「ゲーム理論」という分野の概念のこと

ナッシュ均衡は、ジョン・フォーブス・ナッシュというノーベル賞を受賞した数学者が生み出した概念です。

「ゲーム理論」という理論経済学の分野で発展したわけですが、今ではビジネスや社会問題を説明することに応用されていたり、AI(人工知能)にも使われていたりします。

「ナッシュ均衡」に加えて「ゲーム理論」というのも聞きなれない言葉かもしれませんが、政治経済から仕事、暮らしまで幅広く役立つ戦略的な考え方の一つですので、ビジネスマンに限らず知っておいて損はないものだと思います。

1−1.ナッシュ均衡の概要

本来ナッシュ均衡には言葉の定義や前提となる条件などありますが、いわゆる学問としての「ゲーム理論」や「ナッシュ均衡」の解説はここでは行いません。

学問として理解しておくことも重要ですが、それは後半で紹介する書籍が大変参考になるので、興味がある方は是非読んで見てもらえればと思います。

今回は、ナッシュ均衡とはどういった状態か?どのように役に立つのか?という点を紹介したいと思います。

まず、ナッシュ均衡を一般的な言葉で簡潔に説明してみると、

自分と相手が「ナッシュ均衡の行動」を選んでいるもとでは、他のどの行動よりもその行動が一番得になる(他の行動をとるとそれ以上得にはならず、損してしまう)

というものです。

うーん、やっぱり意味がわかりにくいですね。。

ということで、いくつか事例を挙げて説明していきたいと思います。

一つ目はナッシュ均衡を学ぶときによく使われる「囚人のジレンマ」という有名な例題です。

1−2.ナッシュ均衡の事例:囚人のジレンマ

共同で犯罪を行い逮捕された2人の囚人がいるとします。

警察は十分な証拠を持っていないため、囚人たちに対して取引を持ちかけます。

2人の囚人は別室に隔離されているため、お互いに相談することはできません。

警察からそれぞれに提示された取引の内容は次のとおりです。

  • 2人とも自白しなければともに2年の禁固刑となる。
  • 1人だけが自白したら、自白した者は1年で釈放されるが、もう1人は10年の禁固刑となる。
  • 2人とも自白したら、ともに5年の禁固刑となる。

この提案に対して、2人の囚人は「黙秘すべきか」「自白すべきか」というのが問題です。

本来、相談ができるのならば2人とも自白せずに2年の拘留を選べば良いのですが、相手の出方がわからないというのがポイントです。

相手が先に自白すれば自分だけが禁固10年となるリスクがあるため、結局2人とも自白することになります。

このように、「不合理だけど自分1人が行動を変えても自分は得しないため、合理的な選択をすることができない」という硬直状態がナッシュ均衡です。

相手を信頼できるかどうかという心理的な側面で行動が変わると思った方もいるかもしれませんが、ゲーム理論という学問においては、個人の性格や心理という側面は考えず、お互いが最適な判断、行動をとるという前提があります。

注意点としては、人の行動には心理が大きく作用するので、現実の世界を考える場合はもっと複雑で必ずしも理論通りの結果にはならないということを認識しておきましょう。

ただ、心理的側面を考慮しても「不合理だけど自分1人が行動を変えても自分は得しないため、合理的な選択をすることができない」というナッシュ均衡状態は、現実社会でもよく見受けられるものです。

1−3.現実社会におけるナッシュ均衡の事例

それでは、世の中の政治や環境問題、もっと身近な日常の出来事など実際の社会現象についての事例を紹介してみたいと思います。

ナッシュ均衡の身近な例その1:残業問題

従業員は残業せずに帰宅できるのが理想です。

しかし、仕事が残っていて周りの従業員が残業している環境では、自分だけ帰宅してしまっては、自分1人だけ進捗が遅れるか、残業する他のメンバにさらに負荷がかかってしまう可能性があります。

また、たくさん残業している他のメンバより人事上の評価が下がるという可能性がないとはいえません。

その結果、誰かが残業しだすと、みんなが残業するという均衡状態に陥ってしまします。

働き方改革が謳われるようになってしばらくたちますが、これでは長時間労働が常態化してしまい生産性が上がりませんし、会社としても残業代というコストがかさんでしまいます。

ナッシュ均衡の身近な例その2:買い占め問題

新型コロナウイルスの影響でも度々発生しましたが、マスクやトイレットペーパー、一部の食料品などが品薄となり、買い占め問題は大きな社会問題となっています。

すでに周りの消費者が買い急いでいる状況では、自分だけあわてないでいると、必要なときに商品が買えなくなってしまいます。これは自分にとっては最悪の結果です。

つまり、自分も買いに急ぐというのは、一消費者としては理にかなっている行動と言えます。

一度買い占め状態の均衡に陥ってしまうと、そこから抜け出すのは難しいのは、消費者一人一人の心がけではどうしようもないからです。

2.ナッシュ均衡を打破して、Win-Winの関係を築いていくためには

これまで見てきたように、自分だけが行動を変えると損をするわけですから、自分は行動を変えない方がいいというのが基本的な原理といえます。

また、相手についても同じことが成り立つので、相手も行動を変えないほうが良い状態になります。

実例でも見たように、単純にとれる選択肢を並べお互いが良いものを選ぶというのでは、負の連鎖を生んでしまい、ナッシュ均衡に陥ってしてしまうものです。

この硬直状態を変えるための一般的な解決策は、前提となるルールを変えることしかありません。ただ、社会や会社の制度の問題だと言ってしまうと結局自分としての行動は変わりませんし、損し続けるのは自分自身です。

ではどうしたら良いのでしょうか?

それは、もう一段上の視点で考えるということではないかと思います。

2−1.残業問題への対策

本来望ましい状態というのは、生産性が上がることで残業がなくても業務のアウトプットをだせるということです。

単に労働時間を減らすだけでは生産性は向上しませんし、残業代がないと生活に困るというのが実情という方も多いと思います。もしくは残業代なんて出る方がましで、基本的にサービス残業だという方もいるかもしれません。

いずれにしても、その業務に関わることをや役に立ちそうなスキルを磨くのに時間を当てるというのはどうでしょうか?

例えば、普段エクセルを使っているのであれば、もっと効率の良いエクセルの使い方を調べたり、使えるようにするために時間を割くのです。

残業代が必要だったり残業してもお金が発生しないのであれば、その残業時間の一部を自分と業務のアウトプットの生産性向上のために投資します。

少しでも効果があれば、そこで生まれた時間をまた自分に再投資していくのです。

かつてGoogleには20%ルールというのがありました。それを個人でできる範囲の時間で実践するということと考えて見てもよいかもしれません。

2−2.マスクやトイレットペーパー買い占め問題への対策

残業問題と同様に、もっと上の視点で考えれば、行動が変わります。

それは、省エネで暮らすようにするということです。

周りより消費のペースがゆっくりであれば、買いに急ぐ頻度や買う量を減らすことができますよね。

単に物をなくすのではなく、必要なものはある程度ストックしておき、生活する上で必要になる消費量を減らしておくことがポイントです。

これは災害時や家族の事故や病気などのリスクに対しての備えにもなると同時に、環境にもやさしく経済的な負担も減ります。

3.ナッシュ均衡を学べるゲーム理論のおすすめ書籍

今回はナッシュ均衡の概要のみで話を展開してしまいましたが、本来はゲーム理論を簡単にでも勉強しておくことをおすすめします。

こちらのゼミナールから出版されている「ゲーム理論入門」は、簡単な例題から詳しく解説があり、初学者であっても読み進められるのでおすすめです。

4.さいごに

今回はゲーム理論におけるナッシュ均衡について、囚人のジレンマや身近な社会現象を例にして紹介しました。

また、ナッシュ均衡にある状態からどのようにWin-Winの関係に持っていくかということ自身の経験をもとに考察してみました。

Win-Winの関係については、【Win-Win(ウィン-ウィン)な関係とは】目指すべき考え方のポイントとおすすめ書籍という記事も是非参考にしてみてください。

タイトルとURLをコピーしました