「ミニマリスト」の定義は様々ですが、日本における世間一般的な印象は、
- 極端にモノが少なくて怖い
- つまらなそう
- 貧乏そう
などなど、結構ネガティブな印象が多いのではないでしょうか。
これらのイメージはメディアによる影響も大きかったのではと思いますが、
あくまでこれは
外から見た印象
に過ぎないことであって、本質的ではありませんよね。
当事者としては周囲の目を気にする必要はないので、こういった先入観や偏見に構う必要はないでしょう。
むしろ個人的には、環境問題や格差社会などの課題を抱える現代社会においては、経済的にゆとりのある方、そうではない方どちらも、ミニマルなライフスタイルを実践すると良いんじゃないかと思っています。
といっても、ミニマリストとして陥りがちなパターンもあって、当人が意識しておいた方が良いこともあります。
そのパターンとは筆者の経験上、以下の3段階。
- モノの数にこだわり続けてしまう
- 独りよがりな思考・価値観になる
- 生活が固定化し、身動きが取れなくなる
入り口の❶はミニマリスト特有の症状ですが、最終的な❸は誰もが陥りやすいパターンであり、ミニマリストでは無いという方にも参考になると思います。
このような段階を辿った「ミニマリストの悲惨な末路」は冒頭のネガティブなイメージにピッタリ当てはまってしまうでしょう。
逆に、これらのパターンに当てはまらないミニマリストなら、
- その人らしく上質で洗練されたモノを身につけている
- 自由に時間を使っていて楽しそう
- 経済的に豊かな暮らしをしている
といった感じで「悲惨な末路」とは真逆の状態になるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではミニマリストとして悲惨な末路を辿らないよう、注意すべき3つのパターンとポイントを紹介したいと思います。
ミニマリストが陥りがちなパターンとその末路
本来、ミニマリストの生活は時間的・経済的にもゆとりが生まれ、生活の質は上がり、充実度も高まっていくもの。
もし、ミニマリストを追求することで生活費が下がり、働かなくても生きていけるので収入が減っていき、時間はあまってるのでよりミニマルな生活を追求して、…という負のスパイラルだとすると要注意。
その入り口となる状態から、誰しも陥りがちなパターンが次の3段階です。
- こだわり続けてしまう
- 独りよがりな思考・価値観になる
- 生活が固定化し、身動きが取れなくなる
❶ モノの「数」にこだわり続けてしまう
まず、ありがちなのは「モノの数にこだわり続けてしまう」こと。
数字にこだわるというのは、何かの目標を達成する上で有効な手段であり、仕事だけでなくスポーツやダイエット、筋トレ、…なんでも成果を出す上で重要な観点でしょう。
目標や現状を数値化することで、何をどれだけ実施するかと言うことが明確になりますし、目標に近づいたかどうかということも実感できます。
ただし、数値目標を達成したからといって本来の目的に近づいていないのであれば「目標設定」自体を見直す必要があります。
「より少ないこと」を理想とし、数量にこだわるというのは、雑多なものに囲まれている状態から脱却するのには有効ですが、ある程度モノが少ない状態であれば、それはただの「執着」となり弊害が生じてきます。
イメージとして、ダイエットを契機に摂食障害になってしまうようなものです。
❷ 独りよがりな思考・価値観になる
何か物事にこだわって取り組んでいるときは充実した気分にもなります。
しかし、「執着」している状態となっては健全ではありませんし、思考も偏ってしまいます。
特にミニマリストは「自分は自分」「他人は他人」という意識があるからこそ客観性が無くなり、いわゆる完璧主義や白黒思考(0/100思考)になりがち。
「お気に入りの好きなものに囲まれて生きていく」というのは理想的ですが、気に入らないこと、やりたくないことをただ排除していくだけでは、いずれ負のスパイラルに陥ってしまいます。
排除することにこだわり続けるのではなく、本来やりたかったこと(やるべきこと)に目を向けていきましょう。
❸ 生活が固定化し、身動きが取れなくなる
行動せず排除するだけでいることの1番の問題は、生活が固定化し、身動きが取れなくなることです。
そのときは居心地が良いと感じていても、社会環境や自身の年代の変化などによってライフスタイルは変化していくもの。
変化は必ず起きるので、自分自身が変わっていかないといけません。
そんな変化にも柔軟に適応していけるのが身軽なミニマリストの利点のはずですが、今の生活にこだわり続けてしまえば、モノは少なくても決して身軽にはなりません。
次第になんでこんな生活続けているんだ?と思いながらも、なかなか抜け出せなくなってしまいます。
モノが少ないかどうかを除けば、これはミニマリストに限らず普遍的な課題といえます。
米国の医学博士・心理学者であるスペンサー・ジョンソンによる著書「チーズはどこへ消えた?」がわかりやすく参考になるでしょう。(「チーズはどこへ消えた?」は世界で2800万部を超えるベストセラーとなった童話でありビジネス書。)
物語で伝えているのは「日常のあらゆる変化に対して、私たちはいかに対応していくべきなのか」という投げかけです。 登場人物やタイトルにある「チーズ」とは、私たちの内面や外的環境を例えた比喩となっていて、まさに身動きが取れなくなった状態やそこから脱却する方法論を示してくれます。
まとめ
今回は、ミニマリストが陥りがちなパターンを紹介しました。
- モノの数にこだわり続けてしまう
- 独りよがりな思考・価値観になる
- 生活が固定化し、身動きが取れなくなる
いずれも過去に我が家で陥りかけた経験もあり、いろんなサイトでも見受けられるものではないでしょうか。
また、入り口こそミニマリスト特有のパターンではありますが、「今の生活から身動きが取れなくなる」というのは年代が進むにつれ誰にでも起こる課題でもあります。
逆説的ですが、変化することを前提にミニマルなライフスタイルを目指すというのが大事なポイントになるかなと思います。