英語を勉強するモチベーションや英語を身につける目的は人それぞれだと思いますが、例え日常的に英語を使う必要が全く無い生活をしていたとしても、英語を使えるようになるメリットはたくさんあります。
そのメリット一つは、世界の情報にアクセスできることです。
『世の中どんな情報もスマホで手に入る時代になってるのに?』と思うかもしれませんが、それは意識的に自分から取りに行った場合に限られます。
突然ですが、カラーバス効果と呼ばれる人間の心理現象をご存知でしょうか?
CMやニュース、街中の風景でも、“自分が意識している情報が自然と目に飛び込んでくる”っていう効果で、誰しも経験があるのではないかと思います。
逆にいうと、意識していない情報はそこにあっても気づけないということです。
日本国内の日本語環境にいると、海外の情報は少なく展開も遅かったりして実態がよくわからなかったりしますが、英語のソース(情報源)に意識が向けば、多くの知識や多様な価値観を得ることができるわけです。
とはいえ、グローバルな情報を取得していくのは、語学力に加え、専門知識も必要となりなかなか大変。
そこでまずおさえておきたいのが、世の中を席巻してきたGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Micrsoft)の動向です。
特におすすめなのが、各社のキーノート(基調講演)を視聴することです。
例えば、Appleが新製品の発表するプレゼンの場がイメージができると思いますが、GoogleやAmazonなど、どの企業もCEOや開発の責任者がこれから目指していくビジョンをプレゼンしており、YOUTUBEで簡単に視聴することができます。
この記事では、GAFAMの基調講演を視聴することで得られるメリットや、下記の5つの基調講演の内容について紹介したいと思います。
- Google I/O(google)
- WWDC(Apple)
- Connect(Facebook)
- re:Invent(Amazon)
- Ignite(Microsoft)
基調講演を視聴するメリット

GAFAMに限らず、有名な企業ならだいたい年に1度、これから市場に投入していくサービスや新しいテクノロジーについて発表するという場を設けています。
一般的に、基調講演とはその会の目的や基本方針を明らかにするために演説される話のことで、企業の基調講演といえば、年一回開催される上記のようなイベントでCEOが直接プレゼンするものが多いです。
このGAFAMの基調講演を視聴するメリットをまとめると次の3つの通りです。
- GAFAMの5社で世界の動向を知ることができる
- プレゼン形式のため、英語でも理解しやすい
- 情報の鮮度が落ちず繰り返し視聴できる
5社で世界の動向を知ることができる
今や、この5社の時価総額は日本企業の時価総額(東証一部上場2170社)を軽く上回るほどです。海外のIT企業5社の動向を知っておくと、日本にいる自分たちの生活がどのように変化していくのかを感じ取ることができます。
プレゼン形式のため英語で理解しやすい
海外企業のトップはプレゼンがめちゃくちゃ上手ですよね。GAFAMのCEOはモレなく話すのが上手で言葉も明瞭でわかりやすいです。
また、ムービーによる補足もあったり、プレゼンとして完全に作り込まれていますので英語でもとても理解しやすいです。
情報の鮮度が保たれる
日々のニュースは、毎日情報がアップデートされていくので、チェックするのが大変ですし、繰り返し視聴する英語学習の対象としては不適です。
その点、GAFAMの基調講演の場合は、向こう1年を見据えた内容になっており、多くても年2,3回のアップデートですむため、情報の鮮度が落ちることなく繰り返し視聴できます。
GAFAMの基調講演
それでは、GAFAMの基調講演動画をそれぞれ紹介します。
今回紹介するのは、GAFAMのそれぞれが主催する主要なカンファレンス5つです。
- Google I/O(Google)
- WWDC(Apple)
- Connect(Facebook)
- re:Invent(Amazon)
- Ignite(Microsoft)
日本語字幕で視聴してしまってもタメになる内容ですが、英語字幕で視聴すれば英語学習にも最適です。
Google I/O(Google)
まずはGoogleの開発者向けイベントであるGoogle I/O。
他の企業も同様ですが、イベント冒頭で基調講演が行われます。
21年の基調講演では、AIによる会話技術LaMDA(ラムダ)やAndroid 12、Workspace、Googleフォト、プライバシーなどのアップデートが発表されました。
自然言語処理技術などのGoogleのAI技術の進化にはいつも驚かされますが、冥王星とチャットする(?)というLaMDAによるAI言語デモは見どころかと思います。
GoogleのCEOスンダー・ピチャイ氏によると、LaMDAは自然言語理解の最新のブレイクスルーであるとのこと。まだ研究開発の段階だが、Google社内において、新しいインタラクションを模索していると紹介しています。
2時間と長いので16分に要約されたものがこちらです。
WWDC(Apple)
WWDCは、アップルがmacOSやiOSの開発者向けに毎年開催しているイベント。
「Worldwide Developers Conference(ワールド ワイド ディベロッパーズ カンファレンス)」の頭文字をとったもので、1990年から毎年1回、夏(主に6月)に開催されています。
WWDCで最も注目を集めるのが、初日に開催される基調講演です。
スティーブ・ジョブズが数々のスピーチを行ってきた場であり、iPhoneのような革新的な新製品が最初に発表されたイベントとなっています。
2021年は6月に開催され、iOS 15、iPadOS 15、watchOS 8、macOS「Monterey」の発表がありました。
普通にAppleの新製品の動向がわかるものなので、開発者でない一般消費者として見ていて楽しいものですよね。
iOS 15では、デジタル身分証明書をiPhoneに保存できるようになったり、iPhoneが自宅玄関の鍵となる「Home Key」が発表されています。
日本ではすぐに使えないものも多いですが、将来向かっている方向というのはよくわかります。
Connect(Meta 旧社名Facebook)
続いては、社名がmetaに変わったFacebook、開発者向けカンファレンスはConnectです。
21年のConnectは10月末に開催され、創業者兼CEOであるマーク・ザッカーバーグ氏によりメタバースのビジョンが紹介され、話題を呼びました。
メタバースの実現はまだ先のことですが、現在の仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を向上させるために行っていることや、将来的にメタバースを実現する上でどのような取り組みを行っているかについて紹介されています。
AWS re:Invent(Amazon)
re:Inventは、Amazon Web Service(AWS)によるクラウドサービスに関わる技術的なセッション・ハンズオンなどが提供される、 AWS 最大のラーニングカンファレンスです。
2021年のキーノートではアダムセリプスキー氏 (AWSの現CEO)、2019年や2020年では当時のAWSのCEOで現在はAmazonのCEOになったアンディ・ジャシー氏の講演があります。
Microsoft Ignite(Microsoft)
Micrsoft Ignite(マイクロソフト イグナイト)は、当初はTechEdとして知られていたマイクロソフトが主催するITエンジニア・開発者向けの年次会議です。
Microsoftの最新テクノロジとスキルアップコンテンツが紹介され、2021年のMicrsoftのIgnite では、90 以上の新サービスやアップデートが紹介されました。
Igniteの冒頭では、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏の基調講演があり、世界の今のトレンドとして次の4つを紹介されています。
- ハイブリッドワークの状況変化
- ハイパーコネクテッドビジネス
- デジタルなビジネスへの変化
- サイバーセキュリティ
特に1の、いつ働くか、どのように働くかの変化については、興味深いデータと合わせて2つの課題が示されました。
- 70%の従業員はより柔軟なリモートワーク環境を求めており、65%の人は対面する時間を求めており、相反する結果が出ている。
- そして、58%の人々は、より集中するためにより多くの時間をオフィスで勤務するという結果が出た半面、同じく58%の人々はより集中するためにより少ない時間をオフィスで勤務するという結果も出たている。
このようなトレンドは日本でも当てはまるだろうと想像ができますし、この課題に対してどう取り組んでいくかというのは、ビジネスパーソンにとっては身近なテーマであると思います。
さいごに
今回紹介したGAFAMの5つの動画を見るだけでかなりのボリュームですが、世の中の動きを踏まえ、テクノロジーがどのように進んでいるのかがなんとなく掴めるのではないでしょうか。
英語の勉強も兼ねて何度も視聴してみるときっと1石2鳥となって役立つものになると思います。
