【ミニマリズムと幸福論】シンプルな生活がもたらす心の豊かさとは

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以前は物質的な豊かさが幸福をもたらすと考えられてきましたが、現代社会は過剰な所有過度な消費過多な情報に縛られむしろストレスが生じるようになっています。

ミニマリズムはこうしたストレスフルな生活に対する解決策になる一方で、単に「ミニマリズム」に傾倒していくだけでは次第にまた苦しい思いをするかもしれません。

それは、ミニマリズムという考えや行動に縛られてしまうということ。

まるでダイエットした後、少しでも食べすぎてしまって自己嫌悪に陥ってしまったり、過剰な拒食状態になってしまうように、ミニマリズムの世界であっても、他人との比較による劣等感や、同調圧力、強迫観念、執着を生んでしまう社会構造や人間の性質は変わらないからです。

結局”適度”が良いってことですが、その”適度”というのは世間一般よりだいぶ少ないだろうというのは自論としてあります。

数字にこだわるのは結果を出すために有効な「手段」。結果が目に見えるようになれば達成感もあります。が、やっぱり「目的」になってしまってはいけないんですよね。

じゃあ一体どうやすれば幸せなれるのか?というのは各人のそれこそ人生のテーマにもなり得ることで、断言できるものではありませんが、昔から「幸福論」と言う、いわば哲学があります。

で、この幸福論にはミニマリズムに通じるものがたくさんあるわけで、そこを出発点として心身ともに身軽になっていくというのもアリかと思います。(筆者はその流れでミニマリストになっていたというタイプ)

そこで、この記事では、ミニマリズムと幸福論の関係について考察します。

ミニマリズムとか関係なく、何かこれからの生活のヒントになれば幸いです。

目次

ミニマリズムの基本理念

ミニマリズムは、必要最小限の物だけを所有し、シンプルな生活を送ることを重視します。過剰な物質的所有を減らし、本当に価値あるものに焦点を当てることで、心の豊かさを追求するライフスタイルといえます。

そんなミニマリズムは以下のようなメリットをもたらしてくれると考えられます。

  • ストレスの軽減:物が少ないと、片付けや管理にかかる時間とエネルギーが減り、ストレスが軽減されます。
  • 集中力の向上:物が少ない環境では、注意散漫になることが減り、重要なことに集中しやすくなります。
  • 経済的自由:不要な物を購入しないことで、経済的な負担が軽減され、より自由な生活が可能になります。

とは言うものの、「重要なこととは何か?」を見誤っていては、場合によっては本当に重要なことを減らしてしまい、重要では無いことに余計に時間を集中してしまっているかもしれませんし、生まれたゆとりを何かの執着のために注ぎ込んでしまうかもしれません。

つまり、物の少なさとか外見的なことより、内面的な部分が重要ということ。

幸福論の視点から見たミニマリズム

幸福論は、何が人間にとって幸福であるかを探求する哲学的なテーマ。ミニマリズムは、以下の幸福論の視点からその価値が見出されると思います。

つまり、ミニマリズムの根底の思想として幸福論が拠り所になることがあるかも、ということでいくつか紹介したいと思います。

エピクロス派の幸福論

エピクロス派は、持続的な快楽を幸福とし、物質的な所有よりも心の平安を重視します。

エピクロス派の考え方において、過度な欲望は苦痛をもたらし、必要最低限のものだけを求めることが真の幸福をもたらすとされます。ミニマリズムは、この考え方と一致することもあるかと思います。

ストア派の幸福論

ストア派は、外部の状況に左右されずに内面的な平静を保つことが幸福であると考えます。

理性を使って欲望や感情を制御し、徳を追求することが重要とされます。ミニマリズムは、物質的な所有を減らし、心の安定を求める点でストア派の幸福論と共鳴するところが多いのではと思います。

心の平静を保つことという点でエピクロス派と似ていますが、特に「自身の力の及ぶものと及ばないものを識別し、成す術がないことに振り回されず今できることに集中する」というストア哲学の基本的な考え方は、ミニマリズムの根底的な思想にもなるかと思います。

仏教の幸福論

仏教では、物質的な執着を捨てることが心の平安をもたらすと教えられます。欲望や執着を手放すことで、苦しみから解放され、悟りに至ることができるとされています。禅の教えにおいても、シンプルな生活を通じて心の清浄を目指すことが強調されます。

3大幸福論(ラッセル、ヒルティ、アラン)

これまでは「宗教」や「哲学」の思想とミニマリズムの共通点を紹介しました。これらにより自分の関心をさらに内へ向けることでミニマリズムに何を求めているかのヒントを得るかもしれません。

一方、そのまんま「幸福論」というものもあります。

幸福論は、一体何が幸福/不幸であるか、また人生そのものについての考察・論究のことで、中でもアラン、ラッセル、ヒルティらの著作は3大幸福論とも呼ばれています。

先の紀元前後の思想や宗教とは違い、これら幸福論は現代社会へ加速しながら変化していく最中(1900年前後)に書かれたものですが、享楽や富、名声などではなく、内的活動から幸福を得るというのは時代によらず人間の真理であるように思われます。

また、ただ内に向かっていくだけでなく、外へ関心を向けること、仕事の仕方、社会的な振る舞い方など、ミニマリズムとは関係なく参考になるのでおすすめです。

まとめ

ミニマリズムと幸福論は、物質的な所有を減らし、内面的な充実を追求するという点で深く関係しています。

シンプルな生活を通じて得られる心の平安や幸福感は、古代の哲学や宗教の教えにも共通するところがあり、ミニマリズムを実践することで、現代社会における過剰なストレスや不満から解放され、真の幸福を追求することができるでしょう。

ミニマリズムの実践と幸福感の向上

ミニマリズムを実践することで得られる幸福感は、以下のような要素があるかと思います。

  • 自己認識の向上:自分にとって本当に大切なものが何かを見極めることで、自己認識が深まり、内面的な充実感が得られます。
  • 時間の有効活用:物の管理に費やす時間が減ることで、趣味や家族との時間、自己成長に使える時間が増えます。
  • 精神的な安定:シンプルな生活は心の混乱を減らし、精神的な安定をもたらします。

さいごに、ミニマリズムを実践するためのステップを以下に紹介します。

STEP
持ち物の整理

まずは持ち物をすべて見直し、本当に必要なものと不要なものを分けます。

STEP
購入習慣の見直し

新しい物を購入する際には、本当に必要かどうかを慎重に考えます。

STEP
デジタルデトックス

物理的な持ち物だけでなく、デジタルコンテンツやSNSの利用も見直し、情報の過剰摂取を防ぎます。

STEP
シンプルな生活空間の維持

整理整頓されたシンプルな生活空間を維持し、日々の生活の中で心の平安を保ちます。

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