10代や20代の若い頃は漠然とした将来に対する不安や人間関係など様々な悩みがあるものですよね。
一方で、年齢を重ねていった親を見ても、衰えていく体や老後のお金の事などに悩んでおり、人の悩みというものは基本的にいつまでも絶えないものなのかと思います。
ただ30代、40代となった自分はというと、悩むこと自体はめっきり少なくなりました。
それは、「悩んでいる状態」を理解し客観視できるようになったこと、そして悩んでしまう状態に陥らない予防方法を身につけてきたからだと思っています。
そこで今回は、私なりの悩みに対する考え方や対処の仕方を紹介したいと思います。
1.悩んでいる状態とは

「悩み」の意味を調べると、
精神的に苦痛・負担を感ずること。そう感じさせるもの。
google検索結果より引用
とあります。
では、今回テーマとしている「悩んでいる状態」とはどういった状態なのかをもう少し細かく整理していきたいと思います。
1ー1.「悩むこと」と「考えること」は違う
まずおさえておきたいポイントは、「悩んでいる状態」は問題や課題を解決できるように「考えている状態」とは違うということです。
仕事やプライベートで、また人間関係などでも、さまざまな場面のさまざまな種類の「悩み」がありますが、「どうしよう、どうしよう」という考え(というより気持ち)が堂々巡りしている、そんな状態が「悩んでいる状態」です。ネガティブ思考の状態ともいえます。
身も蓋もないことを言ってしまえば、悩むだけでは何も解決に向かってはいないということです。
ビジネスシーンでは「悩むのではなく、考えて行動しましょう」とあっさりと結論づけられているのを見かけることがありますが、人生の様々な悩みに対しては、悩んでいないで考えましょうと指摘されても、「考えてもどうにもならないから悩んでいるんだ!」と言いたくなってしまいますよね。
このように捉えて見ると、考えても解がない状態に陥っているのが悩んでいる状態と見ることもできます。
1−2.「悩む」は「迷う」ことで苦痛が生じている状態
悩んでいるときは考えが堂々巡りしている状態でした。つまり解がわからずに「迷っている状態」と同じです。
では、この「悩む」と「迷う」はどう違うかというと、「迷う」は決断がつかなかったり分からなくなったりすることで、「悩む」は「迷っている」ことによって精神的に苦痛を感じるようになっている状態ということになります。
もし優柔不断で迷ってしまうということであれば【最適停止問題とは?】優柔不断でも迷わず決断できる簡単な方法!という記事が参考になるかもしれません。
様々なシーンで迷うことは必要なことだと思いますが、そこで精神的な苦痛が生じてしまっては充実した生活を送るのは難しいですよね。
1−3.「悩みの原因」は先行きがわからない不安感などの負の感情
自身を振り返って見ると、単に考えていなかっただけという事もありますが、悩むに至るのは不安感や劣等感などの負の感情に支配されていることが原因というケースは多いのではないでしょうか?
この不安があって悩んでいる状態というのは精神的にストレスになりますし、次第にうつ状態へと発展してしまうリスクもあります。
特に現代の日本はストレス社会です。平均すれば、どの家庭でも、近い親族を加えれば1人かそれ以上が精神疾患に罹患しているくらい身近なものです。誰にでも起こりうる問題であると認識しておく必要があります。
2.悩まないために必要なことは、レジリエンスを高めること

それでは、悩んでしまわないためには、どうすればよいのでしょうか?
悩みの対象が自分自身でコントロールできる内容であれば、原因を調べたり解決策を考え行動してみるというのも一つの手ではありますが、悩みは尽きないものです。次にまた新しい悩みが生じてしまうのではないでしょうか。
なぜなら、何かに悩んでいるということは、悩んでも仕方のないことに悩んでしまう状態にあるのです。一つ悩みが消えたら、次の悩みを脳が勝手に見つけてしまいます。
それよりも、ストレスとなる要因によって悩まされない人間になるというのが大事です。少し矛盾のように聞こえますが、「悩まないためには悩まない人間になる」ということです。
このストレスへの耐性というのはレジリエンス(resilience)とも言われていますよね。これからも世界はますます不安定になり、かつ不確実性が高まっていくため、このレジリエンスが重要になっていく時代です。
そこで今回、一つの手段として提案するのは、知識を身につけることで先行きに対する不安を抑えるというものです。
ただし、注意点は不安なときに誰も正解が分からない未来のことや想定されるネガティブな結果を調べるていくと、より一層ネガティブな思考に陥ってしまいます。むしろ、そういったネガティブな思考に陥ってしまう人間の心理特性や思考パターンを知っておくというのがポイントです。
2ー1.悩みとは些細なものであることを知る
悩んだって仕方がないという言葉があるとおり、どんな悩みも本人にとってみればとても重要なことであっても、客観視できればとても些細なちっぽけなものです。
どうせ自分の存在なんて、、と卑下しないでください。どんなに偉大な人でも悩みはあるし、その悩みもまたちっぽけなのだということです。
なぜなら、この広大な宇宙のごく小さな一瞬「1人の人間の頭の中で考えたこと」にすぎないからです。
そんな自分の存在を客観視する手段の一つは科学(サイエンス)です。
新型コロナウィルスなど現代の科学の力をもってしても未解明のものやその影響による社会の変化に不安を感じると思います。
確かに、様々な現象を科学は解き明かしているのですが、実際はほとんどのことを人間はまだ知らないというの事実です。
人類はそもそも過去のことや未来のこと、現在のことすらほとんどわかっていないということです。
「人類が知っていることすべての短い歴史」という本はタイトルの通り、宇宙の誕生から地球の歴史などの圧倒的なスケールに対する人類の小ささを体感することができます。
”100年に一度の”という災害もしかり、私たちは未知の領域へと変化していっているのではなく、もともと知らない事だらけだし、常に変化している瞬間を生きているだけということを感じられると思います。
2−2.人が悩むメカニズムはみんな一緒!人間は昔から変わっていない
人類そのものに着目した本が次に紹介する「サピエンス全史」です。
人間は誕生したときから今もホモ・サピエンスであり、進化してるわけではないです。
人類が誕生してからというもの社会は常に変化しつづけているものの、人間自体は何も変わっていないということがよくわかります。
そういう意味では、悩むのというのも個人の問題ではなく、遺伝的にプログラムされている人類の仕組みの問題とも言えます。
人それぞれ多種多様な悩みがあるものですが、自分も単純にそのパターンにはまっている状態なのだと客観視してみましょう。
2ー3.悩まないということを自分で『選択』する!
人間が悩むというのは、時代背景や環境ごとに変化するものの、ある程度決まった思考パターンがあって、そのように考えてしまうのは脳の仕組みなんだと理解できたでしょうか。
ここが理解できれば、ある事象に対して「悩むというプロセス」を自分で辿っているということを自覚できるということです。
このように、不確定な事象に対して「不安になって悩む」ということを”無意識に選択”しているという考え方はアドラー心理学によるものです。
そして、自ら「悩むこと」を選択しているのであれば、「悩まないこと」を選択するよう変更もできる、ということを「嫌われる勇気」という本で学ぶことができます。
3.悩んでいる状態を抜け出すには:精神状態をプラスに持って行く習慣を身につけよう!

これまでの内容を踏まえれば、今自分が悩んでいることは、その悩みが本当の問題なのではなく、ただ単に悩んでいる状態にあるだけ、思考がネガティブな方向に向いているだけなのだという見方ができてくると思います。
ただ、「悩んでいる状態」を客観視し対処の仕方を理解したことにすぎません。そこで、実際に日々の免疫力を高める方法を紹介したいと思います。
3−1.習慣1:「ポジティブな態度」をとってみる
病は気からという言葉があるように、心と体は繋がっているというのは理解できると思います。
そして、実は逆の動きも確かであるということです。
どういうことかというと、例えば、鏡の前で笑ってみるとか自信のあるポーズをとってみるなど、ポジティブな態度を体で表現すれば、不安や劣等感に対して生理的に効果のあるホルモンが実際に分泌されるということです。
コロンビア大学で研究された結果によると、具体的には重要な2つのホルモンに違いが見られるようです。
一つは、やる気が出て前向きになるテストステロン値と、もう一つは緊張や恐怖をつくるストレスホルモンであるコルチゾールです。
肩をすぼめて猫背にしているときと比べて、2分間胸を張った姿勢を取ると、テストステロン値は上昇し、コルチゾールの値は減ることも確認されています。
これは人前でカラ元気に振る舞う必要はなく、1人のときでも効果があるそうです。
3−2.習慣2:「日常の有り難さ」に感謝する
2ー1で紹介した「人類が知っていることすべての短い歴史」を読んで見るとより実感できると思いますが、今自分が地球という惑星に存在していること自体が超奇跡です。
これも毎日数分間で良いので、日常の出来事や関係する知人に感謝してみましょう。そうすることで脳がポジティブな状態になっていきます。
ハーバード大学の研究結果によりますと、脳がポジティブになれば、ネガティブな脳やストレス下の脳よりもずっと良く機能するようになり、ネガティブな状態の脳より31%生産性が高くなるそうです。
また、満たされた幸福感を引き起こすだけでなく、指摘を前向きに受け止められたり、学習機能をオンにして社会に対して適応できるようになっていきます。
3ー3.習慣3:自分がコントロールできることに集中する
この『悩んでいるときは、自分がコントロールできることに集中する』という方法はよく紹介されているものだと思います。
問題は、悩んでいるときは、集中できる状態にないということですよね。
ですが、気持ちが前向きになってくれば、自分の状態を客観視できるようになり、コンロトールできること、できないことを分けて考えることができるようになっていると思います。
あとはコントロールできることに集中して頭を使い、行動していくのみです!
一歩行動ができれば自分の心もラクになりますし、ポジティブに行動すればよい結果も生まれてくることでしょう。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は人間の悩みとその対処の仕方について紹介しました。
何かに悩んだりしてしまっているときは、
1 悩んでいる状態を理解する
2 一旦悩まないことに決める
3 脳をポジティブな状態にもっていき、一歩ずつ行動する
この3ステップで悩みから抜け出しましょう!