「読書」する習慣があるかないかは、その人の知識や考え方に大きな違いを生むことだろうと思います。
また、大人になって歴史や政治、文学、科学などに触れ「こんなに面白い内容だと知っていれば学生時代にもっと勉強したのに…」と思ったことがある方もいるのでは無いでしょうか。
ということで我が家では、中学生になった息子に「読書習慣」を身につけ、読書を通じて学生の本分である「勉学」にも関心を持つような「読書体験」をさせてあげたいと思っていました。
幸い、息子の通う中学校には毎日10分程度の「読書タイム」が設けられており、本人がこれといって読みたい本があるわけでも無い様子だったので、実験的かつ段階的に親からの推薦図書を読み進めてもらいました。
本を選定したポイントは
- 自分自身が実際に読んだ本
- 中学生本人にも関係する(であろう)内容
- 大人になっても読む価値がある普遍的なもの
で、実際に読んでもらった本がこちら。
- 13歳から分かる!7つの習慣 自分を変えるレッスン(原著:スティーブン・R・コヴィー)
- チーズはどこへ消えた?(スペンサー・ジョンソン)
- 君たちはどう生きるか(吉野源三郎)
- サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ)
- 私の個人主義(夏目漱石)
難易度もさまざまで、途中で挫折したものもありますが、読んでみてもらった感想や効果について紹介したいと思います。
中学生に読ませたい本5選
中学生が読むと良い本とは何か?といえば「本人が興味関心を持っているもの」が一番。
まぁ、本人が好きなものなら勝手に読み進めて貰えば良いわけですが、ほとんどの子にとって、読書は興味の対象にはならないでしょうし、中学生が興味を持つ内容から出発して、良書に巡り会うまでには結構時間がかかってしまうかもしれません。
そこで、親が読んでいる本を子供にも読んでもらうことを考えてみました。
期待される効果は
- 親の教えとして伝えやすい
- 同じ内容を共有できるのでコミュニケーションの一環になる
- 将来的に読む可能性のある普遍的な良書に親しみやすい
などです。
筆者は、両親が読書を習慣とするような家庭ではなく、子供の頃全くといって良いほど読書はしなかったのですが、現在はよく本を読んでいるので、その姿を見て育った息子は、親からの推薦図書にそれほど抵抗は無いようでした。
なので、中学生の子供に読ませたい本という記事ではありますが、「自分が実際に読んでみた中から選ぶ」というのが前提のため、以降で紹介する本もあくまで参考程度に捉えてもらえればと思います。
で、現時点で中学2年生ですが、以下が大体読み終えた5冊です。
- 13歳から分かる!7つの習慣 自分を変えるレッスン(原著:スティーブン・R・コヴィー)
- チーズはどこへ消えた?(スペンサー・ジョンソン)
- 君たちはどう生きるか(吉野源三郎)
- サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ)
- 私の個人主義(夏目漱石)
❶13歳から分かる!7つの習慣 自分を変えるレッスン
「7つの習慣」は子供が社会人になる頃には読むことを勧めようと考えていましたが、13歳から分かる!シリーズとして発売されていたので、中学生になった息子の1冊目として推薦しました。
ただ、「7つの習慣」の内容を実感を持って読み進められるかというと、そういうわけにはいきませんよね。
そこで、中学生の子に対しては、1つ目の習慣である「主体性」が何より大事だぞと伝えるようにしました。
その他の内容は、いずれ原書の「7つの習慣」を読む際に、子供の頃に読んでいたものだという記憶と経験が700ページ近くある原書を読み進める原動力につながれば良いかなと思っています。
❷チーズはどこへ消えた?(スペンサー・ジョンソン)
2冊目は「チーズはどこへ消えた?」です。
中学生からすると内容的には実感しにくい(中学生にとってチーズといえる対象がない)かもしれませんが、小学生から中学生への環境変化や自分自身の心境や身体の変化に対する不安を感じる時期かと思いますので、本書の力強いメッセージに勇気づけられるのではないかと思います。
学校の課題で「自分のおすすめの本」として紹介していたので、響くものはあったと思われます。
❸ 君たちはどう生きるか(吉野源三郎)
3冊目は「君たちはどう生きるか」の文庫本。
漫画版が出版された小学生当時は興味を示していなかったので、中学生となった今は「課題図書」として活字で読んでもらいました。
活字の量として一気に増えますので、読書経験が少ない中学1年生ではちょっときついかもしれません。息子は中学2年生になってから読み始めていましたが、物語として読み進められるので割とすぐに読了していました。
❹ サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ)
文庫本を1冊読むことができたので、実験的に読んでみてもらったのが「サピエンス全史」です。
中学2年生くらいであれば、授業で人類史をかじっています。序盤は読み進められたとして、この圧倒的な情報量の本をどこまで読み進められるか?というのが実験的要素の1つ。
2つ目の要素は、「社会」という科目で歴史や地理を勉強しているものの、1つの大きな流れを知った上で勉強すれば理解度が違うのでは?というものです。
「なぜ学校で勉強するのか」という問いに対する解釈の1つは「君たちはどう生きるか」にヒントが書いてあったであろうと思われるので、その後に読んでもらいました。
現時点では、中学2年生の2学期中に上巻を読み終え、下巻を読んでいる最中です。社会の成績は確かに良いのですが、本を読んだ経験もあって社会の成績が良いのか、社会が得意だから本も読めるのか、単に社会も読書も得意なだけなのか、未だ判別できないでいます。。
❺ 私の個人主義(夏目漱石)
サピエンス全史の上巻を読み終えていたので、ではこれもいけるのか?と思って読んでもらったのが夏目漱石の「私の個人主義」です。
ボリュームは大きく無いですが、何といっても文章が読みにくい(ここで読むことができます)。早々に「これは無理」とギブアップ宣言されたので、あとがきだけ読んで次(サピエンス全史下巻)に進んでもらいました。
内容的には、進学を控える中学3年生の夏頃にリベンジしてもらおうかなと考えています。
まとめ
読み進めていく段階と内容についてある程度計画した上で、読んでみてもらいました。
- 13歳から分かる!7つの習慣 自分を変えるレッスン(原著:スティーブン・R・コヴィー)
- チーズはどこへ消えた?(スペンサー・ジョンソン)
- 君たちはどう生きるか(吉野源三郎)
- サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ)
- 私の個人主義(夏目漱石)
まだ途中のものや、挫折したものもありますが、「中学生でも意外と読めるようになる」というのが個人的な印象。中学生で読書する下地を作っておけば、高校進学後には興味関心のある分野の専門書を読むこともできるのではと期待しています。
今回紹介した5冊の構成は、あくまで筆者とその子に対して考えたものです。ご自身で考えた構成でお子さんと読書経験を積んでみるのはいかがでしょうか。